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日本人の死因のうち、がんに次いで2番目に多いのが心臓病です。なかでも狭心症や心筋梗塞という「虚血性心疾患」は働き盛りの40~50代にも突然襲いかかり、突然死の原因ともなる怖い病気です。最近では30代での発症も増えてきました。
心臓は1日に約10万回、生涯休みなく拍動するポンプで、このポンプを動かすエネルギー源が「冠動脈」です。心臓があたかも冠をかぶったように、この動脈が心臓の表面を流れているので、こう呼ばれていますが、冠動脈が心筋の細胞に栄養を与えているから心臓は動くのです。
歳をとるにつれ、この冠動脈の血管壁にコレステロールなどがたまり、動脈硬化が進むと血管の内側が狭くなってしまいます。狭心症の場合、動脈硬化で血管内が狭くなっていますが、心筋梗塞はさらに血栓ができて閉塞し、血流が途絶えた状態となります。
血流が不十分になるほど狭くなると心臓を動かす血液が不足する「心筋虚血」になってしまいます。虚血状態になると心臓のSOS信号として、胸痛や胸の圧迫を感じるようになります。これが狭心症です。ただし、この状態は長くても15分以内には消えてしまいます。
また、心筋梗塞に移行する危険度からみると、初めて狭心症の発作が出現してから3週間以内の新しい狭心症、それに胸痛発作の回数、強さ、持続期間が増加し発作が起こりやすくなったものは「不安定狭心症」と呼び、心筋梗塞に移行しやすい狭心症とみられます。
一方、冠動脈がさらに狭くなって血液が通じないままになると、その部分の心筋細胞が壊死して、症状も長時間続くことになります。この状態を急性心筋梗塞といいます。急性心筋梗塞では普通30分以上、前胸部に強い痛みや締めつけ感、圧迫感が続きます。まれに首、背中、左腕、上腹部に痛みを生じることがあります。
狭心症や心筋梗塞にならないためには動脈硬化の進行を予防することが大切です。それには危険因子の除去に努めることが重要です。
禁煙、塩分・糖分・脂肪分の摂り過ぎに注意し、バランスのよい食事をして糖尿病、高血圧、脂質異常症を予防すること、適度な運動(毎日適当な距離を歩く習慣をつけて下さい)、過度なストレスを避けるよう気分転換を図り、規則正しい生活をおくることが大切です。特に、血縁の方に心筋梗塞や狭心症の方がいれば、長年の悪い習慣を改めるようにしましょう。
また、心筋梗塞は過度の疲労や緊張、暴飲暴食などをきっかけに生じることもあるので、それらを避けるための生活習慣に見直すことも大切です。