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動脈硬化などで血液の流れが悪くなり、脳内の血管や中枢神経が障害を受けると、突然、手足が動かなくなったり、意識がなくなることがあります。こうした急に襲ってくる脳の血管の病気を総称して「脳卒中」といい、大きく分けて「脳梗塞」、「脳出血」、「くも膜下出血」に分類されます。
脳卒中は昭和50年代後半までは死因の第1位を占めていましたが、高血圧の治療など医療の進歩により脳卒中を発症しても死に至るケースは減少して、現在はがん、心臓病に次いで第3位となっています。しかし、高齢化社会を反映して、患者の数はむしろ増えています。これはかつて多かった「脳出血」にかわって「脳梗塞」が増加しているためです。また、食生活が欧米化することによって、動脈硬化の原因となる糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が増えてきたことなども影響しています。
脳卒中の症状としては、手足がうまく動かなくなったり(運動障害)、ろれつが回らない、言葉が出てこない(言語障害)、半身にしびれを感じる(感覚障害)、物が二重に見えたり、視野の片側が見えなくなる(視野障害)、意識がもうろうとしたり、意識を失ってしまう(意識障害)などがあげられます。
運動障害や言語障害を中心とした局所症状は「脳梗塞」や「脳出血」で多く認められます。
くも膜下出血は通常、前ぶれなしに突然激しい頭痛が起こり、バットで殴られたような痛みとも表現されます。嘔吐、痙攣がみられることもあります。また、時間とともに後頭部から首の後ろが硬くなり、首が回らなくなり硬直してきます。出血が起こるのが脳の表面であるため、発作時に手足の麻痺が起こることは少ないものの、出血がひどくなると、時には言語障害や半身麻痺を引き起こします。
脳卒中の原因のひとつは動脈硬化ですので、動脈硬化にならないようにすることが予防や再発防止につながります。
その他、日常生活では、カロリーを摂り過ぎない、塩分を控える、節酒・禁煙に努める、適度な運動をする、過労や睡眠不足を避ける、お風呂やトイレなど寒さや急激な温度変化に注意する、水分を十分に摂る、ストレスを溜め込まないことを実践しましょう。
脳卒中はたとえ命はとりとめても言語障害や運動機能に障害を残すことが多くあります。早期発見と予防のために、定期的に健康診断を受けて、自分の体の様子をチェックして危険因子を減らすことが大切です。