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若い頃に比べて食べる量はあまり変わらないのに、いつも間にかお腹や背中に脂肪がついてしまうなど、気をつけているつもりでも年齢とともに肥満体形になってしまう人も多くいます。
加齢により太りやすくなるのは、筋肉量や基礎代謝の減少などが主な原因ですが、大切なことは、年齢に関係なく肥満そのものが老化を促進し、生活習慣病を引き起こす原因となってしまうことです。肥満に日頃から気をつけることはすこやかな生活を送る上で非常に重要です。
肥満それ自体で死に直接至るという危険性はありませんが、糖尿病、高血圧、脂質異常症などを誘発する原因として相互に大きく関わっており、肥満対策をすることがすなわち生活習慣病対策といえます。
代謝とは、体内で特定の物質が生成、分解され一定の状態になることをいいます。糖代謝では、糖を合成してグリコーゲンとして貯蔵したり、糖を分解してエネルギーに変えます。エネルギー代謝では、食べ物などで取り込んだエネルギーを貯蔵したり、臓器の修復などに使い、残りを活動エネルギーとして消費します。
代謝機能に深く関わっているのが脂肪組織から分泌されるレプチンと呼ばれるホルモンです。食べ物を摂取してから20~30分後に分泌され始めます。血中のレプチン濃度が上がると、脳に満腹シグナルが出て食欲を低下させます。早食いは禁物、よく噛んでゆっくり食べるようにといわれるのはこのためです。
この満腹シグナルを出すシステムは、大昔の食料不足や飢餓という状態の中で生き抜くための能力として発達したものです。ところが、現代の飽食の時代による脂質などのエネルギー過剰摂取により、代謝機能が対応しきれず肥満になってしまうのです。
体のどの部分に脂肪がつくかにより、肥満は2つのタイプに分けられます。
下腹部、腰まわり、太もも、お尻の皮下に脂肪が蓄積するタイプを「皮下脂肪型肥満」、内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプを「内臓脂肪型肥満」と呼びます。
この2つのタイプのうち、皮下脂肪型肥満は下半身が太って見え、外見から分かりやすいのですが、内蔵脂肪型肥満は外見から分かりにくいことがあります。特に内臓脂肪がつき過ぎるとホルモン分泌のバランスを崩し、放置すると、糖尿病、高血圧などの生活習慣病を引き起こすといわれています。
性質として、皮下脂肪はつきにくい分、一度蓄積されると消費されにくい特徴がありますが、内蔵脂肪は比較的容易につきやすい分、消費されやすいという特徴があります。日々の食生活に気をつけて、運動を心がければ減らすことは十分に可能です。