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歯は、歯肉、歯そう骨、歯根膜、セメント質の4つの組織に支えられています。歯周病とはこれらに病気が起きた状態をいいます。そして、歯周病の原因は生きた細菌の集団である「プラーク(歯垢)」です。
歯に付着したプラークは、増殖して歯と歯肉の間へと広がっていきます。プラークが増殖すると、最初は歯肉に炎症が起き、赤く腫れたり、出血したりします。これを「歯肉炎」といいますが、この段階なら正しいブラッシングをすることによって健康な状態に戻すことができます。
しかし、プラークがさらに増えると、炎症が歯周組織全体に広がる「歯周炎」を引き起こします。歯周炎が進行し、歯そう骨の溶解や歯根膜の破壊が進むと、歯がぐらぐらして抜け落ちてしまうことになります。
歯周病は、口の中の問題だけではなく、全身の様々な病気と関連があることが最近の研究で明らかになってきています。
歯周病との関連が指摘されている病気としては、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞などの代表的な生活習慣病や、肺炎、骨粗しょう症、妊娠トラブルなどが挙げられています。最近では、がん、肥満との関わりも指摘されています。
特に歯周病は、糖尿病の慢性合併症の一つに挙げられており、注意喚起がなされています。歯周病の患者では、血糖コントロールがうまくいっていないと、免疫力や治癒力が低下し、歯周病の原因となる細菌の増殖を十分に抑えることができず、歯周病が悪化しやすくなります。
また、歯周病で歯肉に炎症が起きていると、炎症を引き起こす物質が過剰に作られるようになります。その一つである「TNF-α」には血糖をコントロールするホルモン「インスリン」の働きを低下させて、糖尿病を悪化させる作用があることが分かってきています。
歯周病の原因は、歯と歯の間に溜まったプラークです。歯周病を予防するには、毎日の正しいブラッシングによってこのプラークを確実に落とすことが大切です。
歯ブラシは歯と歯肉の境目に90度の角度で、歯の裏側は45度の角度で当てます。いきなり動かさず、正しい角度できちんと当たっているか確認してから、毛先が広がらない程度の力で左右に30往復くらい動かすのがようでしょう。
歯と歯の間は、歯ブラシで磨くことが難しいので、デンタルフロスや歯間ブラシを使うのもよいでしょう。