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高齢期のフレイル対策

高齢期はメタボ対策よりフレイル対策

 健康づくりの戦略は、「中年期と高齢期では異なる」ということを理解しておくことが大切です。通常、中年期ではメタボリックシンドローム対策として、カロリーや脂質の摂り過ぎに注意し、肥満にならないように指導されます。確かに、中年期はメタボから生活習慣病になり、動脈硬化が進んで脳卒中や心筋梗塞などの病気を引き起こすリスクが高まりますので、特に中年期のメタボ対策は非常に大切です。
 しかし、高齢期になってもメタボを気にして、食事量を制限する生活を送っていると、栄養不足やエネルギー不足になり、健康寿命を左右する「フレイル」に陥りかねませんので注意が必要です。
 フレイルとは、「加齢により心身の機能が老い衰えた状態」こと。「健康」と「要介護」の中間の位置にある状態を指します。フレイルには、低栄養や筋力低下などにより転倒を起こしやすくなる「身体的フレイル」、認知機能や気力の低下、うつ状態の「精神的フレイル」、閉じこもりや社会的交流の減少、孤立などの「社会的フレイル」の3つの側面があります。
 特に高齢者は、どうしても食が細くなりがちです。栄養・エネルギー不足の状態が続くと筋力が低下し、転倒・骨折を起こしやすくなります。骨折してしまうと、寝たきりから要介護になるリスクが一気に高まります。そのため、誤解を恐れずに言えば、高齢期は「メタボ対策」よりも「フレイル対策」に重点を置くことが大切なのです。


フレイルの予防習慣“3プラス1”

 フレイル予防のために日頃から心掛けたいのが「栄養」、「体力」、「社会参加」、そして「口腔」の“3プラス1”です。
 まずは「栄養」。低栄養を予防するため、ごはんパンなどの「主食」、肉・魚などを使ったメイン料理の「主菜」、野菜・きのこ類・芋類などを使った小皿料理の「副菜」を揃え、1食の中で多様な食品を食べるように心掛けましょう。特に高齢者はたんぱく質が不足しがちなため、肉や魚、卵などからたんぱく質をしっかり摂ることがポイントです。高齢者を対象にしたある調査によると、多様な食品を摂取している人ほど筋肉量が多く、握力や歩行速度などの身体機能が高いことが示されています。
 2つ目は「体力」。体は主に脂肪、筋肉、骨、水分によって構成されています。一般的に、加齢とともに筋肉量が減って脂肪に置き換わりやすくなり、その結果として体力が衰えていきます。加齢による体力の低下は、日常の身体活動より「やや強い」負荷での運動によって回復が可能です。やや強い負荷といっても、難しいことではありません。例えば、近所のスーパーに歩いて10分かかるのであれば9分で行けるようにするなど、少しだけ速く歩いたり、歩幅を少しだけ(5cm程度)広げて歩いたりするなど、ちょっとした工夫の積み重ねが体力の維持に繫がります。
 3つ目は「社会参加」。私たちは様々な人と、様々な繫がりを持って生きています。このような社会との繫がりが豊かな人の方が健康寿命が長く、認知症にもなりにくいことが知られています。社会参加の種類は様々。これまでの研究では、趣味や教養、スポーツサークル、ボランティアなど、活動目的が明確で、かつ、参加者同士の「上下関係が少ない」活動の方が、健康づくりやフレイル予防の効果が促進されるといわれています。
 最後は「口腔」(お口の健康)。口には、食べ物を噛む(咀嚼)、食べ物の味や温度を感じる(感覚)、飲み込む(嚥下)といった機能のほか、声を出す、表情をつくるなど、コミュニケーションに関わる重要な機能もあります。高齢者約700人を対象に行われた調査によると、「よく噛めない人」は「よく噛めている人」と比べて、エネルギー、たんぱく質、脂質などの摂取量が5~10%低いという結果が出ています。またある調査では、口腔機能が低下している人は要介護認定や総死亡率が高いことも明らかとなっています。


Dr.池田義雄 健康長寿のための肥満・糖尿病セルフコントロール 健康ダイヤルとは 無料プレゼント 主な生活習慣病 予防・改善 リンク集