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高尿酸血症とは、血液中の尿酸という物質の量が異常に多い状態をいいます。日本における痛風患者は約60万人とされ増加傾向にあり、その99%が男性とされています。その予備群の高尿酸血症の頻度は500~600万人にも達するとされ、高血圧や糖尿病、脂質異常症などと同様の生活習慣病と位置づけられています。女性に少ないのは、女性ホルモンが尿酸を体内から排出する働きをするため、高尿酸血症になりにくいと考えられています。
尿酸値は多少高めでも自覚症状はありませんが、放っておくと血液中の尿酸は溶けきれず結晶になって関節や腎臓などに沈着し、様々な障害を引き起こします。中でも痛風は高尿酸血症に関係する代表的な病気です。
しかし、痛風以外で高尿酸血症での重要な側面は、動脈硬化性疾患の危険因子であること、放置しておくと腎機能障害や腎結石などの合併症が起こることです。
痛風とは文字通り、風が吹いても痛むほど激痛が生じる病気です。尿酸の結晶が関節に沈着して激しい痛みを引き起こします。痛風関節炎は夜間に足の親指や足首などが痛みだし、赤く腫れ上がって歩行はもちろん安静にしていても我慢できない関節の激痛・腫脹があります。通常、発作は1週間程度で治まりますが、放置しておくと再発しやすい病気です。
しかし、高尿酸血症イコール通風ではありません。尿酸が高くても痛風になる確率は10%前後ともいわれていますし、必ずしも血液中の尿酸が高くない場合でも起こることがあります。
痛風発作はプリン体を多く含む食品を一度に大量に摂った後や急激な運動をしたときに誘発されることが多く、ビールや焼肉などの食べ過ぎは典型的な誘発因子となります。
男性の場合、思春期に急激に尿酸値は上昇し頂点に達します。その後大きな変化はなく老年期になりやや低下します。思春期を過ぎてから暴飲・暴食などの生活習慣の乱れが続くと尿酸値はさらに上昇し、30~50代にかけて高尿酸血症となるケースが多くみられます。
また、痛風になりやすい方に多い特徴として、積極的、意欲的など、快活で行動力がある性格のタイプが多いともいわれています。これらの性格と痛風が関係している明確な理由はありませんが、一方でこのような方達は共通して忙しく、肉体的・精神的ストレスを溜め込みやすいといえます。30~50代で発症する率が高いのも、仕事もバリバリこなして食欲も旺盛で、接待などでお酒を飲む機会が多い働き盛りの時期だからとも考えられます。