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ストレス社会を生きる

視点を変えよう

 人は急激な「変化」に対してストレスを感じる生き物です。新型コロウイルスの出現によって、私たちの生活は大きく変化しました。また、現在では、不安定な世界情勢を背景にした変化など、ストレスが高まるリスクが複合的に絡み合っています。今言えることは、これから先もコロナ前の日常に完全な形で戻ることはなく、世の中の変化はますます加速していくということです。このような状況の中でストレスを溜め込まないようにするためには、時代の変化を柔軟に受け入れて、しなやかに自分も変えていく力を高めることが重要になります。そこで、是非身に付けたいのが「リフレーミング」の考え方です。
 リフレーミングとは、「リ・フレームすること」、直訳すると「再枠付けする」ということになります。つまり、ある物事の前提となる枠組みを変えて見ることで、前向きな意味合いを見い出そうというものです。リフレーミングをすることによって、行き詰まりを打開することや、マイナスな出来事や状態をプラスなものに変えることが期待できます。
 例えば、目の前のコップに半分の水が入っています。それを見て皆さんはどのように思われるでしょうか?「半分しか入っていない」と思うか、または「半分も入っている」と思うか-。前者の場合、コップに水が満たされている状態を前提として考えているため「半分しかない」となり、不足や不満を感じます。後者の場合では、コップが空の状態を前提として考えているため「半分も入っている」となり、喜びや満足感を得ることができます。このように、コップに入っている水の量は同じなのに、その状態をどう捉えるかによって全く違うものに感じられるのがお分かりでしょう。
 物事の捉え方は人それぞれですので、どちらの方が良い悪いというわけではありませんが、著しい環境の変化によってこれまで当たり前だと思っていた日常や社会システムが覆され、その現状にストレスを感じているような状態であれば、後者の視点に立って物事を捉えるようにすることで事態を打開できる可能性があります。


焦らず・じっくり治す

 ストレスコントロールが上手くいかず、こころの病気にかかったとしても、多くの場合は治療により回復し、社会の中で安定した生活を送ることができるようになります。最近では、効果が高く、副作用の少ない治療薬も登場していますので、以前より回復しやすくなっています。
 こころの病気になった場合は、怪我や体の病気と同じように早期に治療を受けることが何よりも大切です。ただし、早く治そうと焦ってしまうと、回復が遅れてしまうことがあります。「焦らずに、じっくり治す」という気持ちで臨むことが回復への近道となります。
 また、こころの病気には多くの種類があり、同じ病名であっても人によって症状は異なります。回復に向けては、治療薬が効果的な場合、カウンセリングや心理療法が有効な場合など様々です。気になる症状が続いたり、つらい状態が続く場合は、自己判断せずに専門の医療機関で診断を受けましょう。こころの病気を診る医療機関には、精神科、精神神経科、心療内科などの診療科目が使用されています。各科によって専門に診る病気が異なる場合もありますので、詳細は電話等で受診前に問い合わせると良いでしょう。なお、自分のこころの状態を上手に伝えるのは難しいものです。整理して話すことが得意ではない場合は、伝えたいことを事前に紙に書いておくといった工夫が役立つかもしれません。


Dr.池田義雄 健康長寿のための肥満・糖尿病セルフコントロール 健康ダイヤルとは 無料プレゼント 主な生活習慣病 予防・改善 リンク集