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ストレスの正体を知る

コロナ禍のストレス要因

 ストレスと上手に付き合い乗り越えていくためには、その正体を見極めることが大切です。新型コロナウイルスに限らず、新興感染症が蔓延すると次のような要因によってストレスが生じると考えられます。
 1つ目は感染リスクや感染そのものが引き起こす心理的反応です。感染することへの不安、感染した場合には自分が他人に感染させてしまうのではないかという不安、感染拡大時に適切な検査や医療を受けられるのかという不安、感染したことが知られて偏見を持たれるのではないかという不安。ウイルスという目に見えない敵との闘いの中で生まれるこれらのモヤモヤとした不安や恐れは、自分の中で増幅するだけでなく、人から人へと伝染していきます。
 2つ目は環境の急激な変化です。以前であれば、ストレスを感じたら「友人としゃべりする」、「お酒を飲みに行く」、「旅行に行く」など様々なストレス解消法がありました。しかし、感染症の蔓延期にはソーシャルディスタンスや外出の自粛が求められ、これらの手段が制限されることになります。また、テレワークやオンライン授業などによって家で過ごす時間が増えることで家族同士の適切な距離が保てずにお互いがストレスを感じてしまうという懸念も生じます。
 3つ目は情報が引き起こす問題です。新型コロナウイルスについては、興味を引きそうな情報、エビデンスの無い情報、専門家の間でも意見が分かれる情報などがメディアに氾濫しています。不安や恐れを解消したいと思うあまり、自分が求める情報に行きつくまで情報を検索し続けてしまうこともあります。このようにして知らないうちに情報に振り回されることで、結果的に視野が狭くなってストレスが生じます。


心身のSOSサイン

 ストレス反応は、心理面、身体面、行動面において様々な症状として現れます。心理面のストレス反応には、気分の落ち込み、イライラ、意欲の低下、集中力の低下などがあります。身体面では、眠れない、頭痛、肩こり、腹痛、腰痛、動悸、めまいなど様々な症状が現れます。また、行動面では、落ち着きがなくなる、過食、飲酒量や喫煙量の増加、引きこもり、欠勤や遅刻の増加などがみられます。
 心身のSOSサインに早い段階で気付き、ストレスを上手に解消することができれば、これらのストレス反応は次第に低下・改善していきます。しかし、心身の休息が十分確保できずにストレスが蓄積してしまうと、不安障害やうつ病といったこころの病気を引き起こすリスクが高まってしまいます。


Dr.池田義雄 健康長寿のための肥満・糖尿病セルフコントロール 健康ダイヤルとは 無料プレゼント 主な生活習慣病 予防・改善 リンク集